社会保険労務士の労務相談って何をしてくれるの?

最近ありがたいことに給与計算の問い合わせをいくつか頂きました。
張り切って出掛けて給与計算の説明を一通りして、最後の締めに
「是非!労務相談もご検討ください!」
なんて言うのが定番になっていましたが、先日「労務相談って何してくれるの?」と言われて言葉に詰まってしまいました。
情けないことですが、確かに労務相談って何をするんだろう。。。
自分なりに少し考えてみました。
「うちはトラブルもないし、労務相談までは必要ないかな!」
そんなふうに思っていませんか?
でも実は、“問題が起きていない”という状況こそ、見逃しているリスクが潜んでいるかもしれません。
確かに、具体的な問題が発生していないと必要性を感じにくいかもしれません。ですが、問題が発生してしまったら解決するためには非常に大きなエネルギーが必要な場合もあります。社会保険労務士は労務問題を「未然に防ぐ」ことが役割の一つだと考えています。
●【実例あり】労務リスクは“見えにくい”から怖い
労務相談の必要性を感じていない会社様は、具体的な問題が起きていないか、起きたことがない状態だと思います。これ自体は素晴らしいことです。ただし隠れたリスクを見逃していると、今後リスクが顕在化し、労務問題に進展する可能性があります。
では、どのような問題が隠れているのでしょうか。
★(例)見逃しやすい残業代の時間単価の誤り
多くの会社では給与計算ソフトを導入し、特に問題なく計算が出来ていると思います。では、給与計算ソフトがどのように残業代を計算しているのか確認をしたことはありますか?
残業代の計算は基本的には次の方法で計算されます。
残業代=時間単価×割増率×残業時間
大切なのは「時間単価」の計算です。この時間単価の計算方法は労働基準法により定められています。 給与計算ソフトを設定するときに「月の平均所定労働時間は何時間ですか?」「どの手当を残業代の計算に含めますか?」といった設定項目があるかと思います。このような項目が正しく設定されていないと、給与計算ソフトは正しい計算をしてくれません。誤った設定により計算された額が、労働基準法で定められた方法による計算額を下回っていた場合、未払賃金の請求等の問題に発展する可能性があるでしょう。
●“知らなかった”はもう通用しない時代
インターネットや生成AIを使って誰でもたくさんの情報を得られるようになっています。働き方への意識も高まっており、従業員が自社の状況と法令を照らすことも可能です。 もちろん完璧な労務管理をすることは至難の業ですが、少なくとも現在把握できているリスクや、少しの注意で把握できるリスクについては事前に対処する必要があります。 また、従業員からの問い合わせの中には、インターネット上の誤った情報や、情報の一部のみをもとにしていることもあります。会社として問題がない場合には、従業員の方に納得してもらえるように丁寧な対応が必要になります。
●社労士がいるだけで、こう変わる!労務相談の具体的メリット
社会保険労務士の役割のひとつとして、労務に関するトラブルの「未然防止」があると考えています。例えば、給与計算と合わせて労務相談を受託した場合、貴社の給与計算方法が、法律や就業規則との整合性が取れているかの確認を行い、隠れたリスクを発見し、解消に向けて一緒に取り組みます。また、日々のコミュニケーションから隠れたリスクが見つかることもあります。
隠れたリスクを見つけて事前に対処することで、事業主と従業員がともに安心して働ける職場環境が実現し、本来の業務に集中することにより、会社の成長につなげることもできると考えます。
労務問題は、“何かが起きてから”では遅いこともあります。気になることが一つでもあれば、お気軽にご相談ください。